スマートフォンやSNSの普及により、自撮り写真をネット上にアップして楽しむ人が増えました。
写真を撮る際、最も定番のポーズといえば「ピースサイン」。
実はこのピース写真が、個人情報の流出につながることをご存知でしょうか?
今回はなにげない写真から個人情報が盗まれる危険性と、その対策についてご紹介します。
SNSに上げた写真から盗まれる個人情報とは?
スマホ等からSNSにアップした写真、特にピースサインから抜き取られる個人情報とは、ズバリ「指紋」です。
近年はスマートフォンのカメラの画素数が向上し、より高画質の写真を手軽に撮れるようになりました。
また指紋認証が様々な場面で普及してきました。
銀行のATMで指紋認証を使えるところも珍しくないですし、マンションのオートロックやスマートフォンのロック解除にも使われています。
このように指紋認証で便利になった一方、写真から指紋を読み取り複製できることが判明しました。
写真から盗まれた個人情報・指紋データはどうなる?
写真から指紋の情報を抜き取る技術は、このようにしっかりと実証されています。
2015年には、ドイツ人ハッカーが写真からウルズラ・フォン・エア・ライデン国防省の指紋複製に成功しています。国立科学研究所の越前功教授らによると、3メートル以内の距離で指を撮影した場合、指紋を読み取ることができるそうです。
出典:指紋、自宅住所、在籍校も……! 写真で流出する個人情報に注意—GetNaviweb
SNSに安易にピースサインの写真をアップすると指紋情報が抜き取られ、自宅に侵入されたり銀行口座から勝手にお金を引き出されてしまうかもしれません。
写真から漏れる個人情報は指紋以外にも!
写真に含まれる個人情報:「目」
指紋に加え、目からも個人情報を抜き取られるおそれがあります。
その一つは「虹彩」です。
写真の解像度によっては虹彩(眼球の色がついている部分)も複製することができるため、生体認証の一つであり虹彩認証も破られる可能性があるのです。
出典:指紋、自宅住所、在籍校も……! 写真で流出する個人情報に注意—GetNaviweb
さらに瞳に映った景色からこんな事件に発展した例もあります。
アイドル活動をする女性が帰宅したところを襲ったとして逮捕された男は「SNSに投稿された女性の顔写真の瞳に映った景色を手がかりに住所を特定した」と供述していることが捜査関係者への取材でわかった。https://t.co/ng30dE8ztq
— NHK@首都圏 (@nhk_shutoken) October 8, 2019
写真に含まれる個人情報:「位置情報」
スマートフォンは基本的にGPS機能を持っていますが、これにより写真に位置情報が埋め込まれ、撮った場所が特定される可能性があります。
自分の部屋で撮った写真に位置情報が含まれていると、SNSにアップした際、不特定多数の人に自宅の住所を知られてしまう恐れがあります。
出典:位置情報やピースサインで個人情報漏洩?SNSで写真投稿する際の注意点—Dr.Home Net COLUMN
写真から個人情報を特定されないためには?
ここまでの内容から、「恐ろしくて安易に自撮りなんてできたもんじゃない!」と感じた方もいるでしょう。
しかし以下の点に注意すれば、個人情報の漏えいを防ぐことができます。
- ピースサインで撮影しない
- 画質を下げる
- 自宅近辺や最寄り駅など、住所を特定されるおそれのある場所で撮った写真をネット上にアップしない
- 撮影時はGPS機能を切る
- サングラスや窓ガラスなどへの映り込みに注意する
写真投稿時は個人情報に気をつけながらSNSを利用しよう
便利な技術が生まれれば、それを悪用する者も出てくるのが世の常。
SNSではいろんな人とつながれる楽しさもありますが、不用意な使い方をしてトラブルに巻き込まれることのないよう、今回の記事をお役立ていただければ幸いです。
コメント