国や各自治体では新型コロナウイルス感染を防ぐため、「3つの密」を避けるよう呼び掛けています。
・換気の悪い密閉空間
出典:首相官邸
・多数が集まる密集場所
・間近で会話や発声をする密接場面
3密のうち、密閉・密集が起こりやすい場所として代表的なものが鉄道です。いくら3密を避けようにも、電車通勤をしている人にとっては避けようがなく悩ましく感じている方も多いのではないでしょうか。
今回は鉄道関係者のコロナ感染が私たちの生活にどう影響するのか考えてみます。
鉄道現場でも既に新型コロナは広がっている
JR西日本では、2月21日と2月24日に小松~米原間を結ぶ「特急しらさぎ」を利用した乗客の男性が新型コロナウイルスに感染していたことが分かっています。また同社のグループ会社社員で、博多総合車両所内に勤務する男性も感染が確認されています。
JR東日本でも駅係員、および同僚の感染が判明しています。
相模原市の2月24日の発表によると2月22日時点でJR東日本の駅係員が感染した。その後26日になって同僚の陽性診断についても確認され
出典:東洋経済オンライン
もし鉄道関係者の1割が働けなくなったら
運転士や車掌、駅係員、加えて車両の検査係員など、資格や専門的な訓練を必要とする人々がいなくなった場合、当然ながら鉄道の運行は不可能となります。
実際に国土交通省では過去にこんな調査を実施しています。
国交省が2014年に発表している「公共交通機関における新型インフルエンザ等対策に関する調査研究」の中で、「乗務員の欠勤率が1割程度となったとき、平日ダイヤを維持できない鉄道事業者は半数以上」というアンケート結果がある。
出典:東洋経済オンライン
ではこのような事態に備え、鉄道会社はどのような対策をとっているのでしょうか。
BCP(事業継続計画)による運行
事業者が緊急事態においても基礎となる業務を継続して行うためにあらかじめ策定しておく計画、これをBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)といいます。
つまり「ヤバイ時でも最低限の仕事を続けるための対策」です。
公共交通機関の多くはBCPを策定しています。多くの乗務員が業務にあたれなくなった場合には、通常より本数の少ない「非常事態用ダイヤ」に切り替えることができるよう体制を整えています。
その内容は会社ごとに異なりますが、JR東日本の場合は以下のように定めています。
JR東日本が内閣官房に提出した「事業継続計画概要」によると、2009年に同社が策定した「新型インフルエンザ対策要領」では、新型インフルエンザに社員の40%が感染したと想定する場合に列車運行率を5割程度に削減するとしている。
出典:東洋経済オンライン
もし列車の本数が半分になったら、より凄まじい通勤ラッシュになることは間違いないですね……
政府は減便要請を検討中!?
今のところ(2020年4月7日現在)鉄道関係者における感染者の増加はみられませんが、政府は鉄道各社へ減便要請を検討しています。
対象は新幹線にも及ぶ見通し。不要不急の外出を抑制する狙いがあり、宣言が出れば来週以降、減便が始まる可能性がある。
出典:yahooニュース
不要不急の外出を抑えることはできても、通勤で電車を使う人が減るとは考えにくいです。案の定ネットでは批判の声が相次いでいます。
※緊急事態宣言が出ても、鉄道各社は通常通りの運行をつづけるとのことです。
参考:テレ朝news(2020年4月6日 20:28報道)
減便要請に対するネットの声
本数を本気で減らす
つもりなら
1回でもいいから
平日の満員電車🚃🚋💭
に乗ってもらいたい… pic.twitter.com/9JUCfXwcxj— Lais🍬 (@Lais0117) April 6, 2020
無能過ぎて話にならない
余計満員になるやろがい
減便したことで、 逆に人が集まってしまった。
という海外の報道を見たが?
会社の休業も求めないし補償もしない、通勤自粛も求めないし補償もしない。
それで鉄道の数だけ減らしても、超過密の満員電車で感染拡大するだけでしょう。満員電車に載ったことのない人たちが考える対策は、本当にトンチンカン。
さいごに
筆者としては、テレワーク推進の動きがあるとはいえ、通勤時間帯のラッシュにはそこまで大きな変化はないと実感しています。
ここにもし鉄道関係者のコロナ感染増加や、今後の政府の要請等で減便になったらと思うと背筋が凍ります。
感染拡大防止と経済活動の両立は非常に難しい問題ですが、交通機関の業務縮小は3密を加速させますますリスクを高めることにつながりかねません。
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◆参考: 東洋経済オンライン、 yahooニュース 、Twitter
◆アイキャッチ画像出典元:今日から新しいスタートライン
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