タレントの加藤紗里さん(30)は7月23日、インスタグラムを更新。
新型コロナウイルスの抗体検査キットを無料で配布する企画を立てたところ、批判が集まっていると述べました。
一体どんな企画で、何が問題だったのでしょうか。
加藤紗里のコロナ抗体検査キット配布企画とは
7月22日、加藤紗里さんの公式YouTubeチャンネルにて新型コロナウイルスの抗体検査キットを配布する企画が発表されました。
加藤さんによればこの企画はシングルマザーに向けた支援を目的としているとのこと。
1つ5800円のキットを100個購入することを発表しました。
ただし費用は加藤紗里さん持ちではなく、知り合いの男性・ヒロキさん持ちだそうです(^^;
加藤紗里のコロナ抗体検査キット配布企画動画に対する視聴者の反応
YouTubeのコメント欄には数多くの批判が寄せられました。その一部をご紹介します。
・ねぇ、もう辞めたら?普通にダサいよ? 見てて痛々しい。
・ほんとに怖いこの人。この人自体がウィルス… こういう無知で、上部だけでの情報しか鵜呑みにしてない人の発信って怖い。 それに日頃の行いが行いだから、今更善意とかいってもその言葉にみじんこも善意を感じない。
・不愉快や
コロナで亡くなってる方々もおるんやぞ
書面集めて訴えるぞ・シングルマザーじゃないじゃん。
・同棲してる時点で、あなたはシングルマザーではないですょ?1人で頑張って育ててるお母さんからしたらほんとにシングルマザーとか言ってほしくないです。
・えっσ(∵`)? あなたが、買ってプレゼントするんじゃないの? 人を利用して…… ないわ…………
この反応に対してYouTube投稿の翌日、加藤紗里さんのインスタグラムに記載された内容がこちら。
やらない偽善よりやる偽善。たしかに行動を起こしたことは素晴らしいことかもしれません。しかし・・・
加藤紗里のコロナ抗体検査キット配布企画に問題はなかったのか?
厚生労働省のホームページによると、新型コロナの抗体検査について次のように記されています。
・現在、イムノクロマト法と呼ばれる迅速簡易検出法をはじめとして、国内で様々な抗体検査キットが研究用試薬として市場に流通していますが、期待されるような精度が発揮できない検査法による検査が行われている可能性もあり、注意が必要です。
・また、現在、日本国内で医薬品・医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)上の体外診断用医薬品として承認を得た抗体検査はありません。WHOは、抗体検査について、診断を目的として単独で用いることは推奨されず、疫学調査等で活用できる可能性を示唆しています。
出典:厚生労働省ホームページ
上記の説明からすると、抗体検査には十分な精度があるかというと疑問が残る部分もあるようです。
ちなみにコロナ関連の検査法には、抗体検査と似た名称の「抗原検査」というものもあります。
抗原検査と抗体検査
名前がそっくりの2つの検査法。その違いについてある医師は次のように説明しています。
まず抗原検査については以下のとおりです。
PCR検査がRNAを増幅して検出するのに対し、抗原検査は新型コロナウイルスに対する抗体を用いて抗原を見つける検査です(抗体と言うものは、抗原に接すると抗原抗体反応で強力にくっつくのです)。
PCRと違って標的を増幅させることは出来ないため、検出にはより多くのウイルスが必要であり、PCRに比べて感度が劣ります(偽陰性が多くなります)。では、なぜそんな検査が認可されたのでしょうか?
それは、抗原検査には
・30分程度で結果が出る
・特別な検査機器や試薬を必要としないという大きな利点があるからです。 このため、抗原検査はPCR検査と組み合わせて活用することが予定されています。
出典:内科総合クリニック人形町
一方の抗体検査の内容は次のとおりです。
PCR検査と抗原検査がウイルスそのものをつかまえる検査なのに対し、抗体検査はウイルスに感染した人の体内で作られた抗体を検出するというで大きく異なります。
つまり、抗体検査はその人が過去に感染した痕跡を探す検査であって、今感染しているかどうかを調べる検査ではありません。
出典:内科総合クリニック人形町
つまり抗体検査で引っかからなかったとしても、いま現在コロナに感染していないとは限らないのですね。
加藤紗里さんの善意は(お金の出どころはともかく)素晴らしいことですが、あくまで専門家による企画ではありませんので利用は慎重に判断した方がよさそうです。
この記事がよかったらシェアしてくださいね。
◆参考:スポーツ報知、内科総合クリニック人形町、インスタグラム、YouTube
コメント